がん保険を比較するために着目すべき5つの項目

正しいがん保険の選び方

がん保険は文字通りがん疾患に限定しており、医療保険と比べ保障の範囲が狭い反面、手厚い保障を備えた保険です。

がん保険は医療保険とは違い、保険会社によって保障内容に違いがあるため、それぞれの保険商品の内容をきちんと精査しなければいけません。

そこでがん保険を検討する上でチェックしておきたいポイントを解説したいと思います。

がん保険の共通している点、異なる点

がん保険は発見から入院、手術、退院後の通院に至るまで、給付内容が細かく分かれています。

その給付内容は、各社横並びの給付もあれば、その保険独自の給付内容を定めている場合もあり、実際に違いを比較しなければ、本当に自分が必要としている保険内容なのかを判断することはできません。

がん保険において、共通して存在する給付は、入院給付金と手術給付金でしょう。

入院給付金は1日1万円が基本となっており、手術給付金は手術内容に応じて、10倍、20倍、40倍と設定されています。

一方で、保険会社各社で異なる設定をしている給付もあります。比較検討する際には以下の5つの点に注意して確認してみるとよいでしょう。

1.診断給付金は1回きりか、再発のたびに何度も受けられるか

がん保険には診断給付金という給付があるのがオーソドックスとなっていますが、診断給付金は、保険会社によって1回しか給付されないものと、再発した際は何度でも給付が受けられるものが存在します。

当然、前者の方が保険料は割安ですが、がんになって一度給付を受けてしまったら、その時点で保険関係は消滅してしまいます。

がんが治癒しても、改めてがん保険に加入するためには何年も経過期間を置かなければなりません。その間、がんの再発リスクや不安を抱えることになります。

私がオススメするのは、再発リスクもカバーした、診断給付金が何度も受けられるタイプのがん保険。東京海上日動あんしん生命などで販売されています。

2.上皮内新生物の場合でも診断給付金が下がらないか

がんと診断された時点で数百万円のまとまった保険金が入ってくる診断給付金は、がんと闘う上で心強い軍資金です。

しかし、保険会社によっては、上皮内新生物については診断給付金が10分の1(10万円程度)に下がってしまうものもあります。

上皮内心生物は、医学的にがんとは区分されております。

がんとは違い、一度取り除いてしまえば再発のリスクがないとされている上皮内心生物の場合、診断給付金は10万円でも十分かもしれません。

しかし、これまで払ってきた保険料のことを考えると、10万円を受け取った時点で保険関係は終了・・・ではなかなか納得できないでしょう。

上皮内新生物が完治しても、新たながんに罹患しないという保証はありません。

しかし、一度がん保険で給付を受けてた場合、改めてがん保険に入るのが大変なのは前述のとおりです。

3.高度先進医療特約は本当に必要か

がん保険の中には、高度先進医療特約をがん保険の根幹の保障とでも言うような宣伝しているものがあります。

「高度先進医療を1,000万円までカバー」と聞けば、がん保険を検討する上で動機形成の大きな理由の1つになります。

高度先進医療と聞けば、さも「がんに効力のある優れた治療法」であるかのように思われますが、実際は保険適用の対象となっていないものの、保険適用できるかを評価するため、保険診療との併用を認めた治療のことを指します。

過去の記事でも書きましたが、高度先進医療の中で最も高額な治療法として「陽子線治療」と「重粒子線治療」がありますが、こちらの陽子線治療は1件当たり平均2,585,912円、重粒子線治療は1件当たり3,036,828円。

どちらも300万円程度、またその治療が受けられる病院も陽子線治療は全国でたった10箇所、重粒子治療に至っては全国でたった5箇所と限られていることから、実際の受診率はたったの0.3%に留まります。

がん保険を考える~高度先進医療特約は果たして必要なのか

また、この高度先進医療特約は、保障範囲ががんに限定されているがん保険でなくとも付保は可能で、医療保険の特約でも数百円で付けることができることがあることに注意してください。

4.日帰り入院でも通院給付金は受けられるか

がんの治療は日々進化しています。がんが不治の病だったは今や昔。たとえがんであっても現在は入院不要、通院だけで治療できるケースも多くなりました。

以前は、がん保険独自の内容である「入院給付金は無制限」が心強く、がん保険加入の大きな動機になりましたが、現在は通院で治療ができることも多くなり、入院給付金に代わりに通院給付金が重要になってきています。

なお、通院給付金については、がん保険の多くが入院後の通院を支給の条件としてきました。

しかし、最近では手術だけの日帰り入院も増えており、それに伴い通院給付金の支給条件が緩和された保険商品も増えてきています。

がん治療は、入院日数が減る一方、通院期間が長くなる傾向にあるため、現在の医療現場の実態に合わせた保障内容を取り入れたがん保険に加入することが大切です。

5.治療中なら毎年診断給付金が受けられるタイプの保険もある

診断給付金から手術給付金、入院給付金や通院給付金など、がん保険の給付には細かく給付内容が別れております。

これは保険会社の都合によるところが大きいのですが、お金に色はついていない以上、保険受給者としては、用途を問わず、まとまった金額を一度に受け取ることができるのが一番です。

これまで上げてきた1~4.に関して、比較検討が面倒臭いという人には、がん治療に関する費用の全額を負担してくれるタイプの保険も存在するので、一度検討してみるといいでしょう。

また、ライフネット生命のように、がん治療が継続している限り、診断給付金を毎年受け取れるタイプの保険も存在します。

各社が様々に工夫している個性豊かながん保険、時代と共に医療保険制度も変化し、医療技術も進歩しています。

保険料だけを比較するのではなく、各社のがん保険の特徴を把握し、より実態に合った、皆さんに相応しいがん保険を選んでいただきたいものです。

スポンサーリンク
最後まで読んでいただけましたら、ぜひ応援クリックをお願いします。
最後まで読んでいただけましたら、ぜひ応援クリックをお願いします。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする